男性の意識向上へ 来月から 全職員 育休と別 三次市は四月から、乳幼児を抱える全職員を対象に、二カ月の休暇制度を導入する。男性の育児参加を進めるとともに職場全体で子育てを支える意識を持たせるのが狙い。代替要員の人件費に充てるのに管理職手当や特別職の期末手当を一割カットする。産前産後休業や育児休業以外で、子育てのための長期の有給休暇は珍しい、という。 「お父さん・お母さん休暇」と名付け、一歳六カ月未満の子どもを持つ全職員に義務づける。女性は八週間の産後休業以降、男性は配偶者の出産後に取得する。 女性の育児休業取得は浸透しているが、男性は、配偶者が働いていない場合、産後八週間までしか育児休業が取れず、無給になるため取得が進んでいない。職場の理解が得にくいのも実情だ。新しい制度は、配偶者が働いていなくても取れるようにし、有給にして経済的な負担をなくす。 休暇中は、各部局内で業務を融通したり、代替要員として臨時職員を採用したりする。臨時職員の人件費は、室長クラス以上六十五人の管理職手当を一割カット(計約三百七十万円)するなどで工面する。これまでのデータなどを基に、年間で二十人前後の臨時職員が必要になるとみている。 女性職員からの提案がきっかけ。吉岡広小路市長は「家事を含めて一定期間子どもとかかわれば、職員、職場の子育てへの意識が変わる。民間企業へも広げられれば」と話している。(二井理江) 上司の配慮必要 広島労働局の花田礼子雇用均等室長の話 育休などとは別に二カ月もの休みを取らせるようにするのは聞いたことがなく、すごい制度。ただ、男性にとって二カ月間も職場を離れるのは不安が大きい。強制的に取らせるとしても、上司の細かい配慮や周りとの調和など無理なく利用できるようにしないといけない。 (2006.3.2)
|