広島県、来年度から建設業者に 育休取得など後押し 広島県は二〇〇九年度から、育児休暇の取得促進など、子育て支援に積極的に取り組む建設業者に対し、建設工事の入札参加資格審査を優遇する。仕事と家庭の両立を支援する企業の取り組みを後押しするのが狙い。 入札参加事業者の格付けを決めるための評価項目に「次世代育成支援への貢献」を加える方針。少子化対策への自治体や企業の役割を定めた次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく行動計画を策定し、県に登録することを条件とする。 入札参加資格審査をめぐっては、県は基本的な技術力、経営状況など従来の項目に加え、国際標準化機構(ISO)の認証取得や障害者の雇用率など社会貢献度も既に評価の対象としている。 これら各項目の合計点数が一定基準を超えれば、より請負金額が大きな工事を受注できる可能性が高まる仕組み。次世代育成支援の貢献による具体的な加算ポイントなどは本年度内に決める予定だ。 〇五年四月に全面施行された次世代法は従業員三百一人以上の企業には、男性の育児休暇の取得促進や事業所内託児所の設置などについて行動計画の策定を義務化した。ただ、策定が努力目標にとどまる三百人以下の中小企業で計画を届け出ているのは三百八社(三月末現在)。県内の中小企業の0・8%と低水準で推移している。 県労働福祉課は「中小の建設業者が子育て支援の計画をつくるきっかけにしてほしい」と期待。同様の評価項目は、山口、岡山、島根各県も既に採用している。(永山啓一) (2008.5.9)
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