安佐北署管内補導協助員ら 非行防止へ継続的見守り
安佐北署管内の少年補導協助員たちが取り組む農業体験が、少年たちの居場所となっている。サツマイモの苗植えから収穫まで1年間を通して少年を見守り、立ち直りを支える。 広島市安佐北区口田南の協助員の自宅の畑で先月下旬にあった2回目の体験会。同署に補導されたり家庭から相談があったりした12〜15歳の中学生13人が参加した。協助員や署員13人と、6月に苗を植えたサツマイモ畑の草刈りと竹の伐採をした。その後、親たちが準備した食材で、そうめん流しをして交流を深めた。 中学1年の男子生徒(13)は「農作業ができて、協助員の人に感謝している。他人を思いやる心を胸に刻み、地域に迷惑を掛けないようにしたい」と更生を誓っていた。 農作業を通して少年との交流回数を増やすのが狙い。県警少年対策課は「野外活動体験は県内でも珍しい試み。少年たちを継続的に見守ることができ、非行防止に効果がある」と期待する。 同署管内の刑法犯で逮捕・書類送検された少年は、ことし1〜7月は延べ108人。昨年同期の同54人に比べて2倍に増え、広島県内の同894人の1割を超える。この現状を踏まえ、サッカー交流などのイベントに加えて、継続的な農業体験を取り入れた。 10月13日には、収穫に汗を流す予定。同署管内の少年補導協助員でつくる連絡協議会の木戸経康会長(58)=口田南=は「立ち直り支援は、一過性では効果がない。子どもたちを長い目で見守っていきたい」と力を込める。(中川雅晴) (2013.9.10)
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