広島の県協議会「学級数で判断」に
広島県の高校教育の在り方を話し合う協議会(会長・坂越正樹広島大副学長)が20日、県庁であり、最終報告案をまとめた。中山間地域の小規模公立校の統廃合を学級数で判断する方針を転換し、地域性を生かした教育を提供するべきだとの方向性を打ち出す。3月、県教委に提出する。 報告案は、教育課程や部活動を充実させるため一定の規模が必要としながら、小規模校が多い中山間地域の高校は「都市部と状況が異なる」と強調。@自然豊かな学習環境があるA少人数指導が可能B地域の高校しか選択肢のない子どもがいる―などを理由に「特色づくりで活性化を図るべきだ」とした。 一方、第2次ベビーブーム世代の就学などに対応し1974〜88年に18校が新設された都市部は、生徒が減少に転じた後も学校数がほとんど変わっていないとし「統廃合も視野に再編整備を検討する必要がある」とした。 県内の中学校卒業生は88年度の4万8731人をピークに減少し、12年度は44%減の2万7208人となる見通しだ。95年度に99校あった公立高校は87校に減った。 現在の県立高校再編整備基本計画(09〜13年度)は1学年3学級以下が統廃合の検討対象。県教委は10、11年度、高宮(安芸高田市)自彊(福山市)白木(広島市安佐北区)大和(三原市)の4校を廃校にした。 その際、県教委は地元への説明を十分しないまま募集停止を決めたり、決定が夏休み中だったりと地元に混乱を招いた。1学年3学級以下は他に27校あるが、現時点で統廃合を検討していない。 県教委は13年度、最終報告書を参考に次期計画をまとめる。下崎邦明教育長は「委員の思いを受け止め、子どものために実効ある計画を作る」と話した。(衣川圭) (2013.2.21)
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