見守り態勢づくり促進 呉市への児童虐待通告が増えている。2012年度は昨年末までの9カ月で78人。市が窓口になった05年度以降、最多だった11年度1年間の80人にほぼ並んだ。市は昨春に実施したアンケート結果を踏まえ、関係機関や地域と連携した見守り態勢づくりを進める。 市によると、虐待内容は心理的33人、身体的30人、育児放棄(ネグレクト)12人、性的3人。心理的虐待は昨年度の合計を5人、身体的は同9人上回っている。市は通告件数増加について、虐待への社会的関心の高まりもあるとみる。 広島県への通告、前年度に起きて解決していない案件を合わせた件数も250件で、既に11年度1年間の216件を超えた。昨年10月には、父親が生後5カ月の長男を揺さぶり、脳に損傷を負わせたとみられる事件も起きた。 市は昨春、主任児童委員に対策を講じるためのアンケートを実施するとともに、虐待かどうか判断するチェックリストなどを載せた冊子を発行。主任児童委員や幼稚園、保育園などに配った。迅速に対応するため、相談履歴などもデータベース化した。 市は取り組みをさらに発展させ、周囲の支援で予防や解決につなげていく考えだ。市子育て支援課は「子どもや家庭が抱える問題が複雑な事例が増えた。地域で見守る態勢づくりを考えていきたい」としている。(柳本真宏) (2013.2.14)
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