広島県警、「非行の芽」対策強化
▽広島県内、上半期664人摘発 広島県内で、19歳以下の少年による万引が2年連続で増えている。今年は6月末までに664人が摘発され、既に昨年同期を53人上回った。県警が刑法犯で摘発した少年のうち、万引は最多で約4割。県警は「万引は非行の入り口」と警戒し、大型店などと連携して防止策を進めている。 県警によると、万引で逮捕、補導などをした少年はこの10年、2001年の1603人から減少傾向だったが、09年に1245人と増加に転じた。10年は1345人とさらに増え、今年はそれを上回るペースだ。 府中町の大型ショッピングセンターによると、小中高生の万引は後を絶たず、雑貨や本、アクセサリーなどの小物が被害に遭っているという。数人で訪れ、商品を囲んで店員に見えないように万引する計画的なケースもあるという。 同店の今田和男渉外部長は「スタッフが接客しながら万引を警戒している。限界もある」と頭を悩ます。県警と連携し「万引き追放宣言の店」と書いたステッカーを売り場に貼り、休日には警察官の見回りを強化する。 「『物を取る』ことへのハードルが年々低下している」。14歳未満の子どもを指導する広島市児童相談所(東区)の紺田礼子判定課長は増加の背景をそう分析する。万引した理由を聞くと「欲しかったから」「捕まらなければタダで商品が手に入る」などと返事するという。(木原由維) 県警が昨年摘発した少年3371人のうち、万引は1345人で39・9%。少年対策課の原田義土次席は「軽い気持ちで手を染めてしまうが、非行の入り口」と強調。店に被害届の提出を促し、その芽を摘もうとしている。 (2011.8.18)
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