15日開会の市議会定例会 広島市、根強い反対考慮 広島市が15日開会の市議会定例会に子ども条例案を提案しないことが2日、分かった。秋葉忠利市長は2010年度中の制定を目指してきたが、市議会で反対意見が多く、成立が困難な状況だ。秋葉市長は今期限りの退任を表明しており、4月の市長選で決まる新市長に判断が委ねられる。 条例案は、いじめや虐待の防止、不登校に悩む子どもを支援することが目的。市が09年12月に素案を発表した。市は10年10月、全8区で市民説明会を開き、素案の内容や制定目的を伝えた。 だが、市議会には「行き過ぎた権利の主張を招く」との意見が根強い。県教委も、子どもへの権利侵害があった場合、学校に改善を要請できる第三者機関を設置する内容に対し「円滑な学校運営を妨げられる」と懸念。市作成のパンフレットを市内の県立校に配らなかった。 保護者や学校関係者の間では賛否が割れ、双方が市議会や市に要請活動を展開した。 市は当初、10年2月開会の市議会定例会への提案を目指したが、市民の理解をさらに得たいとして見送った。以降の3回の定例会でも提案しなかった。 秋葉市長は10年11月の記者会見で「最善の環境とタイミングで提案する」と説明していたが、自ら提案することは断念した形。市は、11年度当初予算案に子どもの権利に関する普及啓発事業の費用を計上する方針でいる。(野田華奈子)
(2011.2.3)
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