学内初の企業説明会開催 大崎上島 メーキャップ講座後押しも 学生「自信付いた」
広島商船高専(大崎上島町)が学生の就職活動に新たな支援を始めた。学内で企業説明会を初めて開き、学生が発案した女子対象のメーキャップセミナーを後押し。高い就職率を誇るが、島に根差す学校として地場企業も意識し、大学生に負けない自信を培う狙いも込める。(白石誠) 企業説明会は今月初めにあり、来年度卒業予定の約70人(近隣の高校を含む)が参加。スーツ姿の学生は担当者から説明を聞き質疑もした。広島銀行など7事業者のうち、地元からは町役場とパソコン開発販売会社がブースを構えた。 主催は、高専に昨春誕生した産業振興交流会。産官学連携や就職支援を掲げて町内や竹原、東広島市などの事業所が加入する。「地元で学ぶ優秀な学生を採用したい」と、説明会を実現させた。 ただ地場企業の思いと学生の間にギャップはあり、説明会に先立つ業界別講演会が終わると20人が退席した。背景には今も学生1人当たりの求人が10社と恵まれた環境があり、商船、電子制御工学科は特に人気が高い。 水井真治副校長(53)は「東京、大阪の1部上場企業への関心は高いが、地場企業も大事」と地元をより意識した就職活動のあり方を模索する。 一方、学生の体験に基づいたのがメーキャップのセミナー。流通情報工学科5年の渡壁真波さん(20)が、大学生相手に気後れし「第一印象を決める化粧で自信が持てれば、もっとアピールできる」と発案。内定を決め「後輩に同じ思いをさせたくない」と卒業研究を兼ねて呼び掛けた。 広島市内の化粧品会社の女性インストラクターを招き、同工学科の女子約50人が自然な「就活メーク」のこつを学んだ。来年に就職活動を控える4年生が目立ち、モデル役の中西美絵さん(18)は「自己流と全然違って自信が付いた」と喜ぶ。 学生の自主的な動きは学校側も歓迎。メークの相談に乗れる常勤の女性教員はゼロ。大学にはある就職課も設けていない。村上定瞭(さだあき)校長(63)は「敬語やあいさつなどの社会人としてのマナー習得も含めて推進しよう」と後押しする構えだ。
(2010.12.26)
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