4県、自己負担発生も 中国地方市町村 補助率75−100% 国が打ち出した妊婦健診十四回分の無料化について、中国地方の市町村の対応にも格差があることが十七日、中国新聞の調べで分かった。国が想定する標準的な健診費用の上限十一万二千四百五十円に対し、山口県の九市七町は補助率100%で無料とする一方、四県の市町村は補助率を約75―88%にとどめ、自己負担が生じる場合もある。 政令市である広島市は補助額九万八千円で補助率は87・1%。広島県内の他の十三市九町は県や県産婦人科医会が主導して八万七千百二十円、77・5%に統一した。同医会の会長で広島市民病院産婦人科の吉田信隆主任部長は「血液検査をする健診日には、自己負担が必要になる妊婦もいそうだ」という。 県健康増進室は「最も高額な健診費用に応じる財政的な余裕が市町にはない。大多数が無料に近づくような補助額の設定にした」と説明する。 岡山、島根、鳥取の三県は補助額を統一。岡山九万三千九百四十円(83・5%)▽島根九万九千百十円(88・1%)▽鳥取八万四千七百八十円(75・4%)―となっている。 これに対し、山口県内の未定の四市を除く全市町は、十一万二千四百五十円(100%)を補助。県産婦人科医会の藤野俊夫副支部長は「健診費用が補助の上限を超えないよう各医療機関に通達する」と強調する。 健診十四回のうち五回は既に本年度から補助している。地方交付税を財源とするため、財政難を理由に補助額を抑制する自治体も多かった。これに今回の九回分を上乗せするため、各自治体の差が生じた。国の財源措置が二年間の時限付きで、積極的な補助をためらう自治体も目立つ。 補助額が未定の周南市は「妊婦の自己負担をなくする方針だが、支出を抑えるため市医師会に健診費用を低く設定するよう協力を求めている」としている。(藤村潤平、衣川圭)
(2009.3.18)
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