きいろい花の案内でディオはとうとうお医者さんのいる村につきました。
  村のひとたちはあたまに花をのせた子象がやって来たのでびっくりしましたが、ディオのおかあさんがケガをしたことを話すと、すぐにお医者さんの家につれていってくれました。
  お医者さんはパタさんという名前の、まるいメガネをかけたやせたおじいさんでした。ディオがわけを話すと、パタさんはすぐに引き受けてくれました。
  ディオはよろこびました。いますぐ島にもどれば、おかあさんはきっとたすかります。
  けれどパタさんはディオのあたまの上の小さなきいろい花を見ておどろいていいました。
  「こりゃいかん! だいぶよわってるぞ」
  パタさんはぐったりしている花をすぐにディオのあたまから下ろすと、根っこを土にうめて、大あわてで水をやりました。
  パタさんの手当てが早かったので花はすぐに元気をとりもどしました。
  「花くん、きみは私の家で少し休んでなさい。こんど仲間のところにうつしてあげるからね」
  パタさんはそう約束してから、ディオにいいました。
  「ディオくん、友だちが元気がないときは、すぐに気がついてあげないといけないよ」
  「えっ、友だち?」
  「そうだよ。ここまでいっしょにやって来たんだからね。ディオくんときいろい花くんはもう友だちだよ」
  「花とぼくが友だち?」
  ディオは本当におどろきました。花と友だちになれるなんて思ってもみなかったからです。それに、あんなに小さな花と友だちになれるということは、もしかすると島にいるだれとでも友だちになれるかもしれません。ディオは島にいる動物たちにいままでいじわるばかりしてきたことがはずかしくなりました。
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