ディオは、背中にお医者のパタさんをのせていそいで島にもどります。
「島にわたるのはよした方がいい、またあらしがくるぞ」
船着き場でサルの船長がディオにいいましたが、ディオはすこしでもはやくかえりたくて、あれはじめた海をわたり、とうとう島にもどりました。ディオはおかあさんのもとにまっしぐら。大きなからだをゆらしてかけていきます。パタさんも背中でゆれています。
しかしおかあさんは家にいませんでした。ケガをしてるのに、いったいどこに行ったのでしょうか。ディオはしんぱいになって島じゅうを探しまわりました。またなみだが出そうになりました。
おかあさんは、島にある大きな洞くつの中にいました。あらしがくるときけんなのでケガをしたおかあさんをみんなでひなんさせてくれていたのです。おかあさんのまわりには島の動物たちがたくさんいました。
ディオはうれしくなりました。パタさんがいっていたことは本当だったのです。だれとだって友だちになれるのです。
「もうだいじょうぶだよ」
おかあさんの手当てをおえたパタさんはにっこりしていいました。ディオはほっとしました。
しかしその夜。またあらしがやって来ました。
でもディオはもうおくびょうではありません。
フクロウの木をたおしたすごい力で岩をころがして洞くつにふたをします。サルに水をかけた長いハナで小さな花たちを安全な場所にうつします。ウサギを押しつぶしそうになった大きなからだでにげる場所のないものたちを守ってやります。
いたずらばかりしてきたディオが、だれよりも大きなからだで島のみんなを守りました。
ディオは島のみんなと友だちになり、ずっとなかよくくらしました。
おわり
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