中国新聞

  その4 カボチャの 「続・学校帰りのよっこ」
第4話イラスト

 ふつう転校するのは新学期めかわりと、相場がきまっている。それなのに、はるちゃんは、夏休にもどってきた。おさんおさんとれて、一人でおばあさんちにたのだ。

 しぶりにいっしょにることになったそのも、猛烈かった。はるちゃんは、ハンカチをにのせ、よっこは、かきしをじられたカボチャの――その画用紙裏返しにしてにかざしていた。

 「ねえ、いでかない?」

 「うん、いでこ」

 ツーとカーだ。二人は、どんどん(=)へりた。ランドセルとは、かげのき、は、いて、ばされないよう、ごろなをのせた。

 どんどんには、メートルぐらいのさからちていて、かいしぶきが、シャワーののようにがっている。こちらからいでって、その段々になったつと、までにわったことがなく、これからも永久わうことがないとわれるほど、気持ちがよかった。

 そのシャワーのは、二人るにはしきつかったから、二人ともってぎ、いた相手きずりおろすということをした。

 そうして大々満足して、いざろうとすると、をのせておいたはずの、よっこのえなくなっていたのだった。

 「大変! あしたまでにかきさなくちゃなんないのよ!」

 カボチャは、いや、カボチャをかいたは、むらにもかげにもなかった。

 ばされてちたかもしれないと、れに沿ってさがしてくれていたはるちゃんが、「あーら、こんなとこにっかかってる! へんなの……」と、ふしぎそうなった。

 よっこのは、だれかがてたらしいれた竿っかかっていた。しかも、その竿には、ハヤが二匹れたままだった。あごやびれに赤紫斑点がついたきなハヤと、まださい銀色のハヤ――。れのにいると、きていでいるようにえたが、にとると、二匹ともくなっていた。

 「これじゃ、もうダメね」

 「だめって、おさかなが?」

 「ううん。カボチャのよ」

 「かせば、いいんじゃない? ほら、がうまいことにじんじゃってるから、カボチャだけクレパスでぬりしたら?」

 「なるほど、なるほど。ついでに、ハヤもえたりして……」

 はるちゃん、ありがとう!

 つべきものは親友ね。よっこは、やるてきたよ。

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