その4 ヒロシのアイデア
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土曜日、シホは、おひるごはんをつくろうと、バンダナをしめて、エプロンをかけて、小さなコックにへんしんしました。いいメニューがうかびません。
「きょうは、なに作ろうかな」シホがれいぞうこを開けると「おこのみ焼き、くいたいよ」
ヒロシがはいってきていいました。
「えっ、おこのみ焼き? ちょっとむりよ」
シホは、いつもおかあさんが作ってくれる、うすい皮にキャベツや肉を山もりにした広島のおこのみ焼きを思い出しました。
「にいちゃんが作ってやるから、シホも手伝え」
ヒロシがいばっていいました。
「キャベツをきざんで、ネギを切って、ぶた肉も小さく切って、じゃがいもをすりおろす」
「えっ、じゃがいもをいれるの」シホがびっくりすると、
「長いもがいちばんうまいんじゃが、ないからじゃがいもじゃ」
ヒロシは、シホの知らないことも知っています。
たまご四こと、こむぎこをまぜて、水でとき、きざんだキャベツとぶた肉、ネギを入れて、たっぷりおろしたじゃがいもをまぜます。
それから、ホットプレートをあつくして、あぶらをひきます。ホットプレートがあつくなってきたら、まぜたおこのみ焼きのたねを、たまじゃくしで一ぱい流します。
ほっこり焼けたらひっくりかえして、上からおこのみ焼きのへらで、ギュッ、ギュウとおさえます。こんがりと両面を焼いてできあがりです。
おこのみソースと青のりをふりかけて、いいにおい。
「ほ、ほう、これは大阪ふうのおこのみ焼きだな」
おとうさんは、ビールを出してきてぐーっとのみほしました。
「いろんなごちそうが食べられて、土曜日がたのしみだわ」
おかあさんが、うれしそうにいいました。
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