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  その3 しあげはじょうじょう
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 土曜日、学校が休みになって、シホはおひるごはんを作ることになりました。
  バンダナをしめて、エプロンをかけて、小さなコックにへんしんです。
  (朝はパンだったから、おひるはおむすびにしよう)
  シホはさっそくじゅんびにとりかかりました。
  お米四合をといで、すいはんきにしかけました。白いとぎ汁は、サルビアの花にやります。
  ごはんがたきあがるのを待つあいだ、おむすびの中に入れるかつおぶしとうめぼしを用意して、のりも切っておきます。
  みそ汁のぐは、あぶらげとカットわかめと、とうふにしました。かつおでだしをとったあと、あぶらげを切って入れ、わかめをひとつかみ入れました。なんだか少なそうなので、袋の残りをぜんぶ入れました。とうふを切って、みそを用意していると、「きょうのメニューはなに?」
  ヒロシがのぞきにきて、なべのふたをとりました。
  「なんじゃ、これ!」
  見ると、なべの中は、わかめがびっしりもりあがっています。「わあ、わかめのおばけじゃあ」
  シホは思わず大声をあげました。
  「どうかしたの、シホ」
  おかあさんがかけこんできました。もりあがっているわかめを見て、「わかめは、水にもどすとふえるのよ。おぼえといてね」
  「しっぱいはせいこうのもと」
  ヒロシがおどけていいました。
  よぶんのわかめをとりのぞいたあと、ボールにたきあがったごはんをとって、手に水をつけながら、キュッ、キュッとごはんをにぎっていきます。中にはうめぼしと、しょうゆにまぶしたかつおぶしをいれ、さいごにしおをちょこっとつけて、のりをまいてできあがりです。
  「できたてのむすびは、うまいのう」
  おとうさんは、わかめのみそ汁もおかわりをしてくれました。
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