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  その2 フランス料理のできあがり
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 土曜日、学校が休みになって、シホはおひるごはんを作ることになりました。かぞく四人のごはんです。
  バンダナをしめて、エプロンをかけて、シホは小さなコックにへんしんです。
  キュウリにトマト、牛乳、たまご、こむぎこをつかってメニューをかんがえました。
  「そうだ、クレープにしよう」
  おもいつくと、シホはさっそくとりかかりました。
  こむぎこ百グラムに、牛乳を一カップ入れて、よくかきまぜて、たまごを四個わりほぐして合わせ、あわだてきでかきまぜます。それにとかしたバターとしお少々をくわえて、まぜてねかします。
  こんどは、キュウリとトマトをうすく切っておきます。
  まえに、おかあさんといっしょに作ったときのことを思い出しながら、シホはこなをこねました。
  ヒロシがのぞきにきました。
  「まきまきクレープ作るの」
  「クレープって、おかしだろう」
  ヒロシはあきれたように首をふりました。
  「クレープ焼くの手伝って」
  シホはフライパンを出しながらたのみました。
  「シホが作るっていったんだぞ」
  そういいながらも、ヒロシはあぶらをひいたフライパンに大さじ二はいずつ、シホの作ったたねを流しこんで、大きくうすく焼いては、お皿にかさねていきます。
  シホは、焼き上がったクレープに、キュウリやハム、トマトをくるくるとまいて、お皿にならべました。
  「これはめずらしい料理だね」
  食事のとき、おとうさんはナイフとフォークをつかって食べてくれました。
  「うん、なかなか上等のフランス料理だ。これからが楽しみだわ」
  おかあさんも、おいしそうに食べています。
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