その5 おばあちゃんちの大ごちそう
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土曜日、学校が休みになってシホは、おひるごはんを作ることになりました。
きょうは、おじいちゃんのいえに、みんなでいもほりに行く日です。
「シホ、きょうは、ひるごはんしなくてよかったな」
にいちゃんのヒロシがでがけにいいました。
「焼きいもは作るもん」
「おばあちゃん、すしとおはぎ作ってまってるぞ」
ヒロシはうれしそうです。
おとうさんの車で、一時間ほど走ると、海べの町のおじいちゃんのいえに着きました。
だんだんばたけのミカンがきいろに色づいていました。ひと休みしたあと、さっそくいもほりです。いもばたけにはいるとつるを切るのはおばあちゃん、おじいちゃんとおとうさんは、いもをほりあげていきます。あかい大きなさつまいもがころん、ころんとほり出されていきます。おかあさんと、ヒロシとシホは、そのいもを集めてかごに入れ、なやまではこびます。
「焼きいも作りたいの」
シホは、おじいちゃんにそっとたのみました。
おじいちゃんは、いねわらをかついできて、ほりおわったはたけにつみ上げると、火をつけてくれました。
シホは、ほりたてのいもを洗って、水をふきとり、アルミホイルにつつんでは、火の中へポンポン投げ入れました。
「おいしゅう焼くには、灰になってから入れるんじゃ」
おじいちゃんがおしえてくれます。
おひるごはんは、ちらしずしに貝汁、それに、にしめとおはぎも大皿にもりつけてあります。
「みんなで食べるんは、ひさしぶりじゃのう」
おじいちゃんの顔がかがやいています。
「とくべつメニューよ」
シホは、焼きあがったばかりのさつまいもをくばりました。
「子どものころを思い出すなあ」
おとうさんは焼きいもを食べながらいいました。
おわり
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