中国新聞

  その3 谷川いフチ 「おじいちゃんの宝」
第3話イラスト

 ぼくとおじいちゃんは岩見山っている。おじいちゃんのは、岩見山だというのだ。

 らになったあたりで、ザワザワという谷川がきこえてきた。つづいてキャラッ、キャラッという、までいたこともないがひびいた。

 「あれはなんの?」

 おじいちゃんはさしてて、ついておいでとまねきした。

 ぼくはよけのすずがらないようにでおさえて、おじいちゃんのあとにつづいた。

 まもなく、はば四・五メートルの谷川た。川向こうはのがけだ。谷川いフチでかなりそう。でも、川底がくっきりえる。

 おじいちゃんがぼくのかたをたたいて、ななめさした。

 みるとのついた大木がたおれて、フチのぎり、こちらのまでとどいている。そのかれほどに、ハトぐらいのきさの、白黒まだらのがとまっている。には、ななめろにピンとのびた白黒のかんむりがあり、やおなかがくっきりとだ。

 「あっ、八十円切手だ!!」

 そのたとき、ぼくはおじいちゃんに手紙に、いつもはっている切手した。

 「ヤマセミというだよ」

 おじいちゃんが小声でいった。

 (切手はヤマセミかあ)

 むこうのがけには、くぽっこりとあいていた。ヤマセミのすだ。

 そのときとつぜんヤマセミが、まっさかさまにフチへちた。

 「あっ」

 おどろいたぼくがはったとき、ヤマセミはもうへもどっていた。いくちばしので、がピンピンはねている。ヤマセミは、べんのみきにたたきつけてから、ゆっくりとのみこんだ。

 「わあ、すごい」

 やがてヤマセミは、ゆったりとげてびさった。

 ぼくはしばらく、ヤマセミがいたのみきをつめていた。

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