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  その4 みんなとさんぽ 
 
  
 
 
  オオカミは、リスにさんぽをしようとさそいました。
  「いやだね。そんなきけんなことなんかできないよ」
  リスはブルブルッとからだをふるわせました。オオカミのかたにとまっていたカラスがとりなして言いました。
  「リスちゃん、だいじょうぶだよ、オオカミはともだちになりたいんだよ」
  「しんじられないね」
  リスはようじんぶかくさぐるように横目で見ました。
  「リスちゃん、オイラがいじわるしたことあやまるよ。ごめんね。もうけっしてしないから」
  オオカミはきまりわるそうにあたまをさげました。
  ようやくリスもきもちがうごいて、枝をつたっておりてきました。オオカミのしっぽをつかむとスルスルとせなかにのりました。オオカミは、かたにカラスを、せなかにリスをのせて、げんきにあるきはじめました。
  森の中をさんぽしているうちに、いつのまにかオオカミにはたくさんのみちづれができていました。カラスはもちろん、みみのまわりには、ちょうがとびまわり、せなかにはリスのほかにネズミやことりなどがのっかり、しっぽにはトンボや、カブト虫などがくっついて、まわりは、ウサギや、タヌキ、キツネなどのどうぶつたちがとりかこんで、まるでいきものたちのえんそくのようでした。森のおくのいけのほとりにあつまって、みんなはオオカミをかこみました。カラスがむねをはっておおきなこえでよびかけました。
  「オオカミがともだちになりたいとたのんでいるが、みんなはどうおもう?」
  リスがまっさきに言いました。
  「ぼくは、オオカミくんがどうしてきゅうにかわったのかしりたいよ」
  みんなは、そうだそうだとうなずきながら、オオカミをみつめました。
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