中国新聞

風よおいで

  3 のダンス


 から、つめたいがふきあれています。

 真夜中に、リサのへやへやってきた、こがらし一号のすがたがあたりません。リサは、へやのなかをさがしまわりました。それから、ました。

「いやだといったら、ぜったいいやだ」

 庭先で、こがらし一号がします。

「おまえたちだけで、ってしまえ」

 こがらし一号が、居間出窓からさけんでいます。

「おまえたちが、ひっぱるからリサちゃんのへやのからおっこちたんじゃないか」

「そんなこというなよ」

 キツネののこがらしがなだめています。

「そうだよ。みんなで、ふきまくろうよ」

 タヌキのこがらしが、リサをちらりとました。

「だれなの」

 リサはかえしました。

「こがらし二号です」

 タヌキがいうと

「ぼくは三号だよ」

キツネがこたえました。

「おかあさんのびょうきは、どうだった」

 こがらし一号が、リサにたずねました。

ぐらい、にゅういんしなくてはいけないの」

「それは、たいへんだ。そういうわけだから、おれはここにのこるぞ」

 こがらし一号は、二号三号にいいきかせました。

「しかたがない。じゃあ、ぼくたちはきみをおいていくよ」

 こがらし二号三号がさっていくと、がちらちら、いはじめました。

「おれは、リサちゃんのおかあさんが、病院からもどるまで、ここにいるよ」

「ありがとう」

 リサはうれしくなりました。

 こがらし一号が、のメロディーをかなでると、は、あとから、あとから、ダンスをいはじめました。

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