中国新聞

   つっ場合


 めた、もしにひとりぼっちでいたとしたら、あなたは、どうする?

 あるめるとつっは、自分のではなくかんださなボートのにいた。さんもさんもいない。

 もやがかかっていて、あたりはぼんやりとしかえない。見上げると、がすごいさでってく。

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(ぼ、ぼく、どうなってるの)

 がったとたん、ざわざわざわとってに、体当たりされた。あわててばたにしがみついたが、パジャマももずぶぬれ。からにやってる。そのつぶのまでってきた。

「このいよ。けてー」

 んでも、だめ。だれもいない。

 泡立つ。ボートはろへ、へと、メチャクチャにゆれる。

「ひっくりる。ぼく、げないんだ」

 つっいているはずだけど、らんばたをつかんでいたはしびれてもうらない。い。

えがまらない、よお)

 どんどんやって体当たり。とうとう、ボートはぷくしてしまった。つっされた。からもからも、海水ってきた。ができない。

さん、けて! ぼく、もうだめだ)

 と、その、ザラリとしたった。だった。ってみると、はへそまでしかない。

(なーんだ)

 元気たつっ。まずはボートをひっくりして元通りにした。ちついてると、船底にオールがある。それに、ぼうぼうしたこうに、電気のあかりがえるではないか。

「とにかく、あそこまで、ってみよう。にどうしたらいいか、そこで、えよう」

 つっは、ボートのまんにすわって、ゆっくり、オールをかしめた。


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