中国新聞

  (2)ケムムの変身


 カマキリにばされて、ケムムはやっとさんのところへも どりました。

「おっこちないように、居場所をまずつくらなくっちゃ。それにぼ くらをねらっているやつは大勢いるんだからね」

 さんが注意しました。ケムムはばされないようをはいて居場所をしっかりこしらえました。毎日、エノキのをたっぷりべているうちに、ケムムはからだがだんだんきゅうくつになっていく のをじました。

「どうしたんだろうね」

 べるのをやめてケムムはくにいるはずのさんにをかけま した。ところが、あれほどたくさんいた青虫兄弟見当たりませ ん。

さーん」

 ケムムはあわててしました。「ここだよ」

 さんがのつけからはいあがってきました。さんはもうこ げ茶頭青虫ではありません。ひすいのからだにつのついのと っきを背負った青虫でした。には二本のつのが、かたつむりのよ うにはえています。

「おまえも、にこうなるのさ」

 さんはおかしそうにいました。エノキのれて朝晩しずつしくなったのことです。

「ほんとだあ」

 ケムムもつのついのとっきを背負った青虫変身しました。

きくなったんだあ」

 カマキリにわれたり、アリにまったりして、兄弟はだんだん なくなりました。ケムムが四度目変身をしたころは、もうづいていました。

「おおい。そろそろりなくっちゃ」

 さんといっしょにケムムはエノキをりていきました。をすごすためです。かそうなくぼみをつけてケムムはも ぐりこみました。からだも葉色茶色わり、表面 のようにかたくこわばってきました。

「じっとしておいで。がくるまで」

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