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  (4)大クマおじさんの巻
  
 
 大クマのおじさんがひるねをしていると、
鼻さきにふろしきづつみが落ちてきました。
  
 おじさんはおきあがって、つつみをかかえました。そこに、ウサギのかあさんと
子ウサギのミーリとリーナが走ってきていいました。 
「わたしたちのケーキです。かえしてください」
  
 そのあとを追ってきた金ぱつキツネは、 
「こいつら、ケーキのうえにチョコレートだのイチゴだのをのっけるってうるさいんです」
  
 息をきらせながらどなります。 
「それじゃあ、あんまりでしょう。ケーキにはさとうとしょうゆあじの油あげがぴったりだ」
  
 空からはぬれ羽色カラスがおりてきて、 
「すみませーん。おもいので落としてしまって。
でも、みんなのセンスって最低。うつくしいケーキは
うつくしい宝石でかざらなきゃあ」 
「こういって、ケーキのつつみをくわえてとんでにげたの。でもわたしがつくったんです」
  
 ウサギのかあさんが、カラスをにらみます。 
「のっけるのは、油あげだぜ」
  
 キツネが口をはさみます。 
「まあ、まあ。けんかはやめて」
  
 大クマおじさんが、みんなをみわたしました。 
「いいかんがえがあるよ」
  
 五人は、おじさんをみます。 
「ケーキのうえにはチョコレートをのせる」
  
 ミーリが大きくうなずきます。 
「そのうえにはいちご」
  
 リーナがえがおになります。 
「それから油あげをのせて、まわりを宝石でかざって、わしは木の実をたっぷりふりかけよう。名づけてのっけもりケーキだ」 
「ギャァーッ」
  
 みんながひめいをあげました。 
「それだけはやめてーっ」 
「意見をまとめるとこうだろう」
  
 おじさんはふまんそうです。 
「お茶会をひらきましょう」
  
 とつぜん、ウサギのかあさんがいいました。 
「はじめからそうすればよかったんだわ」 
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