広島市に相談や通告、意識高まり反映 広島市は31日、2012年度の児童虐待の相談・通告件数が1043件だったと明らかにした。4年連続で前年度を上回り、初めて千件を超えた。昨年10月に起きた広島県府中町での女児暴行死事件などで虐待防止へ市民の意識が高まったのが大きな要因とみられる。 市児童相談所によると、相談、通告をした人の内訳は、「近隣・知人」が327件(31・3%)と最多。続いて「学校・幼稚園」149件(14・3%)、「警察」135件(12・9%)だった。児童本人も10件(1・0%)あった。 児童福祉司が家庭訪問して児童に面会するなどして、全てけがの有無などを確認した。特に児童の年齢や相談・通告の内容、状況から緊急性が高いと判断した178件は、48時間以内に確認したという。 00年の児童虐待防止法の施行以降、相談・通告件数は06年度の479件を境にいったん減少に転じたが、09年度から再び増加。12年度は前年度の約1・4倍に増えた。 藤田典子こども未来局長は、31日の市議会の特別委員会で「県内をはじめ、全国で重大な虐待事件が発生し、市民の関心が高まった」と説明した。 市児童相談所は11年度の740件の相談・通告のうち、529件で虐待を確認し、見守りや一時保護などの対応をした。「地域や周囲の人が日頃から子どもたちに目配りし、気になれば相談してほしい」と呼び掛ける。(岡田浩平) (2013.6.3)
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