中国新聞


給食に特産のチヌ導入
尾道の幼小、食育・消費拡大図る


   

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 尾道市向東町の向東小と向東幼稚園の給食メニューに、同市特産のチヌ(クロダイ)が登場する。食育を掲げる同小などと、消費拡大を目指す地元漁協を市が仲介した。市は他校への波及効果も期待している。

 2月22日に児童、園児計約600人へ提供される。市内6漁協でつくるおのみち地魚販売部会がチヌ約80キロを竜田揚げ用に加工、納品する。

 チヌの旬は8月と秋、冬。特に8、2月が美味とされ、尾道では「ニッパチヂヌ」とも呼ばれる。出産祝いに贈る慣習もある。

 近海でよく捕れるが、時期により臭みがあり、評価を落としているという。市農林水産課によると、1キロ当たりの市場価格は1998年に約1500円だったが、現在は約400円まで下落。漁獲量も2005年の146トンから、10年には79トンと落ち込んだ。

 漁業者から市へは「値段を上げるための策がないか」などの相談が寄せられていたという。

 漁業者側は販路拡大や売れ残りのリスク軽減、所得の向上などを期待する。同部会は「給食への導入が呼び水となり、一般消費が増えれば」。西和子校長は「地元の資源を実感するいいきっかけになる。好評なら食べる機会を増やしたい」と話している。(渡辺裕明)

(2013.1.27)


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