広島の大型商業施設で増加
百貨店や家電量販店などの大型商業施設で、ジャングルジムや砂場などがある有料の「室内公園」が増えている。親子連れに来店を促し、店にいる時間を延ばす狙い。実際に施設全体の売り上げ増に結び付くケースも出ている。 子どもたちが歓声を上げながら走り回る。専門店街パセーラ(広島市中区)に教育玩具販売のボーネルンド(東京)が7月に開いた「ボーネルンドあそびのせかい」。約620平方メートルの室内にジャングルジムやトランポリンなど遊具が並ぶ。生後6カ月〜12歳が対象で、料金は1人30分600円から。 1歳の長女と訪れた中区の設計事務所経営佐々木康二さん(36)は「街中のマンション住まいなので、近くに遊ばせる場所が少ない」と歓迎する。 パセーラを運営するNTT都市開発中国支店(中区)は「郊外の大型ショッピングセンターにじわじわと顧客が流れた。客層の幅を広げたい」。年14万〜15万人の新規の来客を見込み、飲食店など館内の回遊に期待する。 家電量販最大手のヤマダ電機(群馬県高崎市)は、6月に中区にオープンした「LABI(ラビ)広島」にキッズコーナーを設けた。中国地方では初の試みだ。 「ボールプール」など七つの遊具を置く。時間制限は無く、未就学児が1人500円で利用できる。保護者が休憩しながら見守れる20席も設けた。 同店は、岡山県西部から山口県東部を商圏に想定。「家族が商品を選んでいる間に利用してもらい、店の滞在時間を引き延ばす」と同社は狙いを話す。 2年前に「キッズランド」を設けたマリーナホップ(西区)も「県外から家族連れが訪れるようになり、施設全体の売り上げに貢献している」と強調。砂場など約20種類の遊具がある大型室内公園を昨夏開いたアルパーク(同)の運営会社は「親子3世代の来館が増え、子ども用品売り場への回遊につながった」とみている。(桑島美帆) (2012.8.11)
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