三原市教委、「個性に応じて」助言
三原市教委が5月に採用した特別支援教育相談員がフル稼働している。発達障害のある児童生徒への指導方法を小中学校や幼稚園などで指導。既に要請のあった約30校・園を訪問した。 公募の結果、非常勤職員として採用したのは、特別支援学級などで約30年間の教員歴がある臨床心理士木原庸子さん(61)=円一町。 訪問先では、問題行動の内容、行動に至る経緯や収まり方など基礎的な記録をとる必要性を強調している。「本人を刺激する問題が周囲にないかを観察して整理し、解決することが大切だ」と訴える。 教員には一方的にしかったり、ルールを教えたりしないよう助言。「発達障害の子どもは過敏で、自信や意欲の低下につながる場合もある」と指摘し、個性に合わせた対応を求めている。 市教委はこれまで、大学の研究者など外部専門家の協力を得て巡回相談をしてきた。学校側の要請による訪問件数が年々増加する中、本年度から独自事業として専門の相談員を配置した。 木原さんは「相談で学校側が安心することが多い。子どもが学校に『守られている』と感じるような環境整備に向け、支えたい」と意気込んでいる。(鴻池尚) (2012.6.29)
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