中国新聞


非行・不登校の立ち直り支援活動を本格化
広島県警「少年サポートルーム」2年目


   

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サポートルームを訪れ、スタッフと話す少女(手前左から2人目、他は全員スタッフ)

 ▽学習や社会奉仕など 中区・福山で月2回

 広島県警は、非行や不登校からの立ち直りを支援する「少年サポートルーム」の活動を本格化させる。昨年1月に始めた広島市中区に加え、今月から福山市でも開設。それぞれ月2回のペースで開き、少年育成官や学生ボランティアが学習支援や社会奉仕を通じて少年少女に寄り添う。

 「お菓子作りが好き」「神楽がおもしろい」。少年たちが興味を持っていることや夢を語り、笑顔を見せる。中区の同ルームは専門学校の一室を借りて第2、4水曜の午後4〜7時に開かれ、中高生を中心に毎回4、5人が訪れる。昨年1〜12月の計24回は実数で36人、延べで108人が参加した。

 運営は県警の少年育成官や少年補導協助員、心理学専攻の学生たちが担当。少年たちとコミュニケーションを取りながら「居場所づくり」を重視する。

 少年たちは保護者の了承を得て登録し、勉強したり、薬物依存や携帯電話の出会い系サイトの危険性などを学んだりする。茶道や料理を習ったり、公園清掃などの社会奉仕をしたりもする。

 中区の同ルームを利用した中学2年の女子生徒(14)は「人と接するのが苦手だったけど、今は学校でも気軽に話せる」。ボランティアの男子大学院生(24)は「無反応だった子とある日、話せるようになった。子どもも自分も成長している」と話す。

 県警によると、刑法犯で摘発された県内の少年の2011年の再非行率は33・7%と全国平均(暫定値32・7%)を上回る。県警は14年度までに全国平均より低くすることを目標に設定。12年度からが同ルームの本格運用と位置付け、福山市でも利用を呼び掛ける方針だ。

 少年対策課の原田義土次席は「人間関係を築き、健全な学校生活に戻る橋渡しができれば」と話す。県警少年サポートセンター=電話082(228)0110。(山本乃輔)

(2012.3.21)


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