福山医療センター 2010年度は7件に 新生児集中治療室を増床 福山市内唯一の新生児集中治療室(NICU)を備える国立病院機構福山医療センター(沖野上町)で、新生児や母親の救急搬送受け入れを断るケースが大幅に減っている。昨年5月にNICUを6床から9床へ増やし、慢性化していた満床状態を改善した。さらに3床の増床を目指す。(水川恭輔) 母親が危険な状態の場合、新生児も緊急治療が必要となることが多い。NICUに空きがないと、母親の受け入れ自体が難しい。 センターが受け入れを断ったケースは、2009年度は母親28件、新生児10件の計38件。増床した10年度は母親5件、新生児2件の計7件で済んだ。11年度は母親3件、新生児2件(6月末時点)となっている。 NICUは02年度の設置当初、病床は3床だった。07年度に6床に増床したが、満床が続き多い年は約50件が尾道市や倉敷市の病院に搬送された。昨年、担当看護師を増やし、人工呼吸器なども整備。9床に増やした。 国は、年間出生者数1万人に対して25〜30床を目標とする。福山市では、約4500人に11〜14床が必要となる計算だ。センターは今秋完成する新病棟を12床のNICUが可能な設計にした。 NICUでの治療は3カ月以上の長期に及ぶこともある。高橋伸方新生児センター長(35)は「順調に親子関係を築くには、母親が頻繁に通える地元治療が望ましい。今後さらに態勢の充実を図りたい」と話している。
(2011.7.12)
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