広島県坂町教委 過密日程に負担感 広島県坂町教委は20日、2012年度に小中全4校で予定した2学期制の導入を見送る方針を固めた。09年度から試行する小屋浦小と坂中も来年度から3学期制に戻す。試行の結果、中学では学期をまたぐ9〜10月に校内外の行事が集中して過密日程になり、保護者からも反対意見が多く寄せられたため判断した。 試行中の2学期制は4〜10月上旬を前期、以降を後期とする。始業式や終業式、通知表の作成回数を減らすことで授業時間を増やし、教諭が余裕を持って指導できるようにする狙いだった。 だが、町教委によると坂中では9〜10月に体育祭や期末試験、保護者を交えた懇談会、部活動の新人戦などが重なり、教諭も保護者も負担感を訴えた。 学期が半年間にわたるため、習熟度を把握するためのテスト実施などを迫られるなど「教諭の事務量削減につながらなかった」と町教委。一方、「美術などでは長期間にわたり作品に取り組めた」との成果も教諭から出たという。 町教委は10月、全4校で2学期制試行の成果と課題を保護者に説明。保護者から「通知表は3回欲しい」「秋の日程が厳しい」などの反対意見が大半を占めたという。塚田秀也教育長は「試行を無駄にせず、学力向上や生徒指導に経験を生かしたい」と話している。(小山顕) (2010.12.21)
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