応募わずか7小学校 来年度以降の維持費ネック 広島県教委が進めている公立小の校庭芝生化モデル事業の応募が低迷している。市町教委の応募は、広島市西区の庚午小、安佐南区の安西小など計7校分にとどまり、本年度末までに見込む事業費1億円のうち、5210万円が余った状態。市町教委が、来年度以降の芝生の維持管理費を負担することに慎重になっているためだ。 事業は、地球温暖化対策やけが防止、体力向上を目的に県教委が今年1月、昨年度補正予算に1億円を計上。苗の植え付けや草刈り機購入など初期費用を本年度に限り全額賄う一方で、小学校の設置者である市町教委が来年度以降の維持管理費を負担する仕組みだ。 2〜3月の募集で広島市、竹原市、安芸太田町、北広島町、神石高原町の5市町教委が計7小学校分を申請した。県教委は、1校当たり2500万円〜240万円の計4790万円の交付を決定。予算枠に達せず、8月末まで追加募集したが、反応はゼロだった。 応募しなかった東広島市教委は、業者に維持管理を委託した場合の1校当たりの維持管理費を年間数百万円と見積もり「負担が大きく、全校に広げられないため」と説明する。 応募した5市町教委のうち、4市町の6校は植え付けや芝刈り、水やりを児童や住民が担う。ただ、応募を断念した廿日市市教委は「住民の支援があれば可能と思うが、協力を得るための時間が足りなかった」とする。 広島市内では、1998年度に向洋新町小(南区)と井口台小(西区)が校庭の一部を芝生化。庚午小と安西小が本年度、今回のモデル事業で全面芝生化に取り組んでいる。(永山啓一) (2010.10.13)
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