中国新聞


緑の校庭整備 造園協が一役
芝生化 推進プロジェクト設立


 実践校を招き 広島で来月シンポ

 校庭の芝生化に、広島県造園建設業協会(正本良忠会長)が推進プロジェクトを立ち上げて取り組んでいる。気温の上昇を抑え、運動時の安全性の向上などで文部科学省が推進しているものの、県内で広がっていないためだ。二月二十七日に、広島市中区の県民文化センターでシンポジウムを開き、活動を本格化させる。

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美土里小の天然芝グラウンドで遊ぶ児童たち(2003年9月)

 県内の公立学校では、美土里小(美土里町)に唯一、全面芝生の校庭がある。校舎の建設をきっかけに昨年九月、グラウンド約三千平方メートルに芝生を張った。

 休憩時間には、児童たちがはだしで走り回ったり、寝転んだり。けがの不安も軽減し、伸び伸びと体育の授業に打ち込むようになった、という。

 永井初男校長は「児童の運動能力の高まりと、心の安定に役立つはずだ」と期待する。管理についても「児童でつくる芝生委員会を発足させ、近くの住民にも協力をお願いする」と、教育や地域交流に結び付ける考えだ。

 校庭の芝生化は、文科省が一九九五年度から整備の補助を始めた。二〇〇二年度までに、全国の小中学校など二百四十三校を対象に、一カ所で三百平方メートル以上の芝生を張った。

 県内の六十三業者でつくる同協会は昨年三月、東京都杉並区など全国の先進地を視察した。広島でも整備を進めようと、「校庭を芝生(みどり)に」プロジェクトを十一月に設立した。

 シンポには、美土里小の永井校長、東京農業大の近藤三雄教授(地被植物学)ら四人が参加。中国新聞の大平泰論説委員を司会に、芝生化の広がりや実践校の成果などを話し合う。

 協会の西山直樹理事は「まずはシンポで、保護者や学校関係者の関心を高めたい」と話している。シンポジウムは午後一時半から四時までで、参加費は無料。TEL082(273)6655。

(2004.1.22)


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