広島市教委 新年度から 収入減世帯に配慮 広島市教委は2010年度、経済的に困っている世帯の児童・生徒の学用品購入などを支援する就学援助制度について、支給対象を私立、国立、県立の小中学校に通う児童に広げる。主に市立校を対象にしてきたが、不況で収入が落ち込む世帯が増えているため拡大を決めた。 市教委は新たに支給対象とする私立、国立、県立の児童・生徒を18校の計360人と試算。市立校などを合わせた総数を約2万8千人と見込んだ。09年度に比べ約1300人増を想定している。市教委は財源として一般会計予算案に18億7400万円を計上した。 就学援助は09年度まで生活保護や市民税非課税の世帯のうち、市立や近隣自治体の市立、町立小中学校に通学する児童・生徒に限定してきた。私立などに通う子どもの世帯は経済状況が比較的安定している、との判断だった。 しかし、08年秋のリーマン・ショック以降、収入が急減した世帯などから支給を求める声が出ていた。県内で市立、町立校以外の児童・生徒に対象を広げるのは初めて。政令指定都市は札幌、新潟、さいたま、横浜に続き5番目となる。 市内で就学援助を受ける児童・生徒は増加を続けている。08年度に支給を受けたのは児童・生徒の全体の26・3%になり、過去最も高い比率を記録した。09年度はさらに増える見通し。市教委の上口雅彦学事課長は「学びやすい環境を平等に整えたい」と説明している。(桑田勇樹) (2010.3.18)
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