中国新聞


教育にも「格差」波及
5県の就学援助 5年で3割増


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 中国地方五県で、保護者の経済的な理由から給食費や修学旅行費などの就学援助を受ける小中学生が増えている。二〇〇六年度の五県の受給者数は十万人を超え、五年前より約三割近く上昇した。少子化が進む一方で、経済的に余裕のない家庭が増えており、「格差」は教育現場にも波及している。

 県別の受給者数は、広島四万六百九十七人▽山口二万九千七百八十二人▽岡山二万千七百七十二人▽島根六千百人▽鳥取五千八百五十八人―の計十万四千二百九人。五年前より27・6%(二万二千五百三十九人)増えた。

 全児童生徒数に占める受給者数の割合を示す援助率は、広島17・3%▽山口24・9%▽岡山13・2%▽島根9・9%▽鳥取11・4%だった。

 就学援助は学校教育法に基づき、経済的事情で就学困難な児童生徒の保護者を支援する制度。生活保護世帯のほか、各市町村の認定基準に該当すれば支給される。

 広島市でも、世帯の総所得や年齢構成などで基準を設定。学用品費や学校給食費、修学旅行費の実費などを支給している。〇六年度の受給者総数は二万三千四百五十二人で、援助率は24・5%。〇七年度の受給者数は八百七十七人増え、援助率は1・0ポイント上昇した。四人に一人が対象となり、市は約十五億円を助成している。

 市内のある中学校長は「経済的に余裕のない家庭が増え、所得格差も広がっているのではないか」とみる。「費用の未払いが増えると、学校運営が成り立たなくなる。就学援助は教育現場にとってもなくてはならない支援」と話している。(木ノ元陽子)

(2008.9.17)

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