LD児向け漢字教材 広島の教室、PC用開発
学習障害(LD)がある子どもに漢字を学ばせるパソコン教材を、発達障害児を支援する民間教室「発達ルームそら」(広島市中区)が開発した。子どもの障害の特性に合わせ、それぞれに覚えやすい方法で学習させるのが特長、という。 読み書きに障害があるLD児は、平仮名やカタカナが何とか書けても、画数の多い漢字になると習得できないケースが目立つ。そのため、事前に子どもと相談して、漢字一字を二つか三つのパーツに分解。組み立てる順番を文章にして覚える。 教室を主宰する河村暁さん(35)は「決まったやり方を押し付けるのでなく、子どもが覚えやすい方法を一緒に考えることが大切だ」と説明する。 一緒に導き出した覚え方を入力し、子どもごとの教材に仕上げる。パソコン画面上では、文章を聞いて正解の漢字を選んだり、バラバラにした漢字の部位を正しい順番通りに組み立てたりする操作を繰り返す。 文部科学省の二〇〇二年度の調査では「学習面で著しい困難を示す」児童・生徒は全体の4・5%に上った。半面、障害のメカニズムに不明な点が多く、支援が十分進んでいない。国も本年度、読み書きが苦手な子どもの教材開発に着手した。 河村さんは「障害の多様性を理解し、支援策を拡充する必要がある」と強調。新教材は現在、利用を教室に限っているが、改良を重ね、一般への普及を図る。LDの勉強会も実施している。そらTel082(246)8823。(田中美千子) (2009.4.27)
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