おおきくなったシャボン玉(だま)はふうわりと風(かぜ)にのってとんでいきました。
ふたりはつぎつぎにシャボン玉をふくらませました。ふたりのまわりにいくつもいくつもシャボン玉ができました。
「ああ、おもしろかった」と女(おんな)の子(こ)はいいました。そして、「いかなくちゃ」というと、せっけん水(すい)のはいった小(こ)びんをたかしにわたし、ひらりと竹馬(たけうま)にのると、いつものように、すっすと歩(ある)いていってしまいました。
おばあちゃんのうちにいくと、たみこおばさんも家(いえ)にいました。
たかしは、クッキーをおばあちゃんにわたしました。
「いつも、ありがとうね」と、おばあちゃんはおれいをいいました。「おかげで、とってもよくなったわ」
おばあちゃんはもうベッドにねてはいませんでした。窓(まど)べのいすにこしをかけていました。
「ほら」と、たかしは、あの子にもらったせっけん水のはいった小びんを見(み)せました。
「おばあちゃん、シャボン玉とばしたい?」
「おや、まあ」とおばあちゃんはいいました。
「わたし、子どものとき、シャボン玉がだいすきだったのよ。それに、さっき、うとうとしていたときに、シャボン玉をとばす夢(ゆめ)を見ていたの。ふしぎねえ」
たかしは、麦(むぎ)わらをおばあちゃんにわたしました。
「なつかしいねえ、麦わらだなんて」
そう言(い)うと、おばあちゃんは麦わらを石(せっ)けん水につけ、そうっと窓の外(そと)にむけてふきました。くるくるとシャボン玉が大きくなり、それからゆっくりと麦わらをはなれて飛(と)んでいきました。
「どうしたの、その石けん水」と、そばからたみこおばさんがききました。
たかしは、竹馬にのった女の子の話(はなし)をしました。