その3 鏡にうつったら?
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なぞなぞ屋が出前したふたつめのなぞなぞは、「生卵を立てる方法は?」だった。
むかし、コロンブスという船乗りが、仲間に「この卵を立ててみろ」という問題を出した。仲間はあれこれやってみたけど、うまくいかない。コロンブスは、「こうすればいいんだよ」と、卵のお尻をコチンとテーブルにぶつけて割って立たせた。「なあんだ」って思うけど、その「なあんだ」ということがみんな思いつかないのだ。
でもそれは、ゆで卵。生卵を割るわけにはいかない。コロンブスのお母さんはどうだか知らないけど、まおくんのお母さんはゼッタイおこる。
まおくんは冷蔵庫から卵を出してきて、立たせようとしたけど、うまくいかない。それにこれはなぞなぞだから、こんなことやってたってダメなんだと、まおくんは思った。そのうちおなかがすいてきた。
「もう、母さんったら、おやつ忘れてるじゃないか」
まおくんは、立たせようとしていた卵をゆでて食べることにした。そこで問題はとけた。
「生卵をゆで卵にしたら、コロンブスとおんなじじゃないか」
木曜日、なぞなぞ屋がやってきた。答えを聞くと、なぞなぞ屋はくやしそうな顔をした。
「なかなかあなたは手ごわいですね。ではこれはどうでしょう。カエルが鏡にうつったら見える。では、カニクイザルが鏡にうつったらどうなる?」
「そりゃ、見えるでしょ」
「これはなぞなぞ。そんなかんたんな答えではないのです」
なぞなぞ屋はそういいのこして、帰っていった。
「これはむずかしいぞ」
まおくんはいっしょうけんめい考えた。
「カエルが鏡にうつったら見えるって、あたりまえじゃないか。でもまてよ。ここにヒントがあるかもしれない」
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