中国新聞

  その4 コンキのうた 「うた」
第4話イラスト

 きつねのコンキは、とてもすてきな、うたをつくりました。

 そのうたは、コンキがそらをみていたら、ふいにそらからふってくるように、コンキのこころにうかんできたのでした。

 コンキは、うきうき、すきっぷで、いえにかえりました。

 いえのもんのまえに、コンキのねえさんがいました。コンキは、にこにこ、いいました。

 「ねえ、とてもいい、うたをきかせてあげようか?」

 「あとでね」

 と、ねえさんは、いいました。

 コンキは、がっかりして、いえにはいりました。

 ちゃのまで、コンキのにいさんが、てれびをみていました。

 「すごくいいうた、ききたくない?」と、コンキは、にいさんに、ききました。

 「あとでね」

 と、にいさんもいいました。

 コンキは、ふくれて、だいどころにいきました。

 だいどころでは、コンキのおかあさんが、ケーキをつくっているところでした。

 たまごのからや、ミルクのびんや、こなやら、ほしぶどうやら、いろんなものが、テーブルいっぱいにひろがっていて、いそがしそうです。

 コンキは、だまってとおりすぎて、おとうさんのいる、しょさいにいきました。

 おとうさんは、むずかしそうなほんをよんでいます。コンキは、しょんぼり、いいました。

 「おとうさん、いま、いそがしい?」

 「なんだい」と、おとうさんは、コンキにいいました。

 「ぼくのうた、ききたい?」

 「ほう。どんなうたかな」

 おとうさんは、ほんをテーブルにおいて、コンキをみました。

 コンキは、えへん、といって、げんきに、うたいだしました。

  ♪コンコン、コーン……

 コンキが、うたいおわると、おとうさんは、にこにこして、ぱちぱち、はくしゅをしてくれました。

 コンキは、すっかりきげんで、むねをはって、いいました。

 「おとうさん、またいつでもきかせてあげるからね。ききたくなったら、いってよね」

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