中国新聞

「宝さがしワン!」

  その5 あそびにおいで


第5話イラスト

 ぼくはブン。です。

 このおはなしをはじめたころはまれてだったけど、いまはまれてになりました。おしっこもちゃんとぼくのお便所でできるようになったし、まえよりもしかしこくなったんだよ。

 けさ、ぼくが古伊万里のおちゃわんでごはんをべてたら、ふたごのネコのタロとミミがあそびにきた。

 「あら、まだがつかないの」

 ミミがおちゃわんをて、あきれたようなをあげた。

 「このうちのって、よっぽどにえんがないんだね」

 タロはわらってる。

 「うちのカスミおばさんもアキオおじさんも、これをふつうのおちゃわんだとってるんだ。ぼくのおちゃわんになってるぐらいだもん」

 「がないんだ」

 「せっかくわたしたちがほりだしてきた宝物なのにね」

 ふたごのネコは、すましていったけど、ぼくはうちのたちがすきだからさ、むっとした。

 「でもね、スズカねえさんがづいたよ」っていうと、

 「だけど、ここにはいないんだろう」

 「さがしは、ブンちゃんだけじゃないんだからね」

 そうなんだ。タロとミミがいうとおりなんだ。

 だから、みんなにもないしょでおしえとくね。

 える電車をおりて、そこからのほうにむかってあるいて二十五分きなハナミズキのがある。うちにんでいるのは、カスミおばさんとアキオおじさんとくの学校にいってて、ときどきかえってくるスズカねえさんとぼく。のすぐとなりには、すべりだいと砂場とベンチがひとつある公園があるんだ。砂場のななめむこうのにうまっているんだよ。

 とにかく、いちどあそびにきてよ。まってるからね。

おわり

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