中国新聞

「宝さがしワン!」

  その1 ぼくはすごいぞ


イラスト

 ぼくはブン。まれてです。うすい茶色毛並みで、きなをしているんだよ。

 アキオおじさんとカスミおばさんといっしょにんでるけど、くの学校にいってるスズカねえさんもときどきかえってくるよ。ぼくのにね。

 ところで、みんなにはとくいなことがあるでしょう。たとえば、水泳がじょうずだとか、ピアノがうまくひけるとか。

 じつは、にもとくいなことがあるんだ。ピアノはひけないけどね、不自由のおてつだいがじょうずなのは盲導犬でしょう。警察といっしょに、事件のそうさや犯人さがしの仕事をするのが警察犬。ほかにものうえでソリをだとか、ヒツジのをするだとかね。

 どうしてこんなことをはなすかっていうと、じつはぼくにもすごくとくいなことがあるんです。それは、さがし。

 むかしばなしの『さかじいさん』って、ってるよね。おじいさんのかわいがってた宝物のうまっている場所をおしえたっていうおはなし。ぼくもそのじで、のありかがわかるなんだ。すごいだろう。

 ぼくがんでいるのとなりはさな公園になっていて、すべりだいと砂場とベンチがひとつあるんだ。その砂場のななめむこうのがうまってるんだけどさ、人間ってだめだよね。だれもそれにがつかないの。ぼく、いっしょうけんめいおしえてあげてるのに。さんぽのときにはカスミおばさんに「あっちにこうよ」って、ワンワンほえるんだけど、おばさんったら「公園がいるからいやよ」だって。

 ところが、この公園づいたがほかにもいたんだ。

 あっ、おばさんがよんでる。ごはんかな。ぼくいかなきゃ。つづきは、またこんどね。

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