中国新聞

   わたしの場合


 「六十年したら、わたしはどんなになっている?」と、えたことある? もいるかもしれない。そんなとき突然どもにったとしたら、あなたはどうする?

    

 わたしは今年六十六歳のとも六歳。わたしたちは、親友

イラスト

 ともってたとき、わたしは、全身がうつるってんでいた。

 六十年前幼稚園組だったたちと、今夜うことになっている。きだったよし素敵なかおり先生える。最高のおしゃれをしなくては!

 最初は、むらさきくつもりだった。だけど、それをつと、ちぐはぐなじだ。先週ったときにはよく似合っていたのに。紺色てみたがだめ。十年前大好きだった、黒地金色のバラのいているなら大丈夫したが、やっぱり似合わない。かおかしい。

 そのとき、ともった。

めたんだね?」

めたり、しとらん、よ」

 いた。のわたしのい。う。はまゆりそろえてある。

「これって、なに?」

 もっとしっかりながめたら、もいつもとう。もカチっとして、しわがない。背中はピシとびてるし、手足はつるつるのピンク

「おばあちゃん、かわいい」

 ともちあがって、そばにやってた。んだ二人たけはまったくじ。

 六十年前姿ってしまったの? それはすてき。でも、今夜がない。

「とも空色のワンピース、してあげる。似合うよ」

 帽子靴下紺色とポシェットもしてもらった。

 電車で、ズボンをはいたのままのよしった。いかおり先生にも。

 今夜、Hホテルのロビーにはズボンやミニスカートのどもの姿目立つだろう。まるで卒園式謝恩会のように。

=おわり


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