山口県内児相 12年度 産婦人科医と連携図る 山口県内の児童相談所に寄せられた相談のうち「虐待」として対応された事案は2012年度は279件だった。県によると、前年度より10件多く、2年連続の増加となった。 県こども未来課によると、食事を与えないなどのネグレクトが21件増の124件。身体的虐待90件、日常的に暴言を浴びせるなどの心理的虐待54件、性的虐待11件だった。年齢別では、前年度と同様に小学生が115件と4割を超え、0〜3歳未満も31件あった。 相談経路は学校が67件で最多だが前年度に比べ19件減。一方、警察が13件増の53件、市町は33件増の51件といずれも大幅に増えた。被害児童本人からも3件あった。 対応は、面接指導が176件だったが、それだけでは解決しない事案が増加している。児童養護施設や乳児院への入所が8件増の74件となり、里親への委託も13件と前年より10件も増えた。 県内では12年度は虐待で死亡したケースはなかったが、虐待死した子どもの43%は0歳児が占めるという。 このため、県は従来の虐待防止策に加え、本年度からは子育てに悩む親同士の交流の場を開設する。県産婦人科医会には虐待リスクのある妊産婦の情報提供を求める方針で、産婦人科医を対象とする研修会を19日、山口市内で開催する。県こども未来課は「産婦人科医との連携強化などでさらに予防を図り、何とか虐待の減少につなげたい」としている。(藤田龍治) (2013.10.16)
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