中国新聞


広島県府中町が母子住宅廃止
14年1月、半世紀超え提供


 広島県府中町は、半世紀以上にわたって母子世帯に住まいを提供し、生活を支援してきた同町本町5丁目の町営の母子専用住宅(6戸)を来年1月に廃止し、取り壊す。老朽化と水道ポンプ所建設に伴う立ち退きのため。13日の町議会定例会で関連条例案が可決された。

 母子住宅は、1932年に建てられた木造平屋の元医療舎5棟(計218平方メートル)を54年から転用。18歳未満の子と母に格安家賃(2Kで月9千円)で提供してきたが、老朽化とポンプ所建設計画などのため2007年度から入居募集を停止していた。現在入居している1世帯は一般の町営住宅に転居。一定期間の家賃を補助する。

 県住宅課によると、県内で自治体が独自設置する母子住宅は府中町の6戸だけだった。

 町福祉保健部は「経済的ハンディへの対応として一定の成果があった」とし、今後の希望者は一般の町営住宅に応募する際、優先するとしている。

 また、母子住宅に隣接する老人集会所(木造平屋102平方メートル)もポンプ所建設のため同時に取り壊される。集会所は鶴江1丁目の町所有ビルに一時移転し、18年春完成予定の町北部総合福祉センターに再入居する。(田中伸武)

(2013.9.14)


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