償還払い方式を導入 山口県が方針 重度障害者や母子家庭などを対象にした福祉医療費助成制度について、山口県は九日、医療費の自己負担分を受診者にいったん払ってもらい、市町の窓口で払い戻す「償還払い方式」を来年度から導入する方針を明らかにした。「コンビニ受診」を減らし、医療費抑制を図る国の方針に沿った措置とみられる。 県議会一般質問で、今村孝子健康福祉部長が答えた。現在は、自己負担分を市町が医療機関に直接払い、県がその半額を負担している。償還方式が導入されれば、対象となる受診者は一時的にせよ、自己負担分を全額支払うことになる。 国は、現行制度では軽い症状でも病院に行く「コンビニ受診」が増え、医療費がかさむなどとして、国民健康保険の国庫負担分を減額している。県全体の昨年度分の減額は約五億八千万円で、償還方式に替えれば減額分が復活するという。 今村部長は、福祉医療費助成制度の「安定的な運営」のためとして償還払いへの理解を求めた。同部は「一時的に診察料を支払うようになるが、返金するので利用者の負担は変わらない」と説明している。ただ、県は受診料の一部の本人負担導入も検討している。(桑田勇樹) (2008.12.10)
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