福山市教委、床や壁の改修後回し 福山市教委は市立小中学校の耐震化について、補強工事を優先することを決めた。耐震化の遅れを踏まえて方針を転換。これまでセットにしていた床や壁の改修、段差解消などのバリアフリー工事は後回しにし、費用を抑えながら耐震補強を早める。2013年度の対象は21棟で、12年度の10棟に比べ倍増させた。 13年度は校舎11棟、体育館10棟の計21棟に13億5600万円を充て、壁や窓枠に筋交いを設けて補強する。12年度は計10棟で19億8500万円だった。予算に比べて棟数が少なかったのは、特に避難所に使われる体育館でスロープや多目的トイレの整備、老朽化した床や壁の改修などを併せたためという。 市内の校舎、体育館計393棟のうち耐震化が終わったのは168棟(昨年4月時点)にとどまり、耐震化率は42・7%。広島県平均の62・5%を大きく下回り、県内14市で最も低い。12年度の10棟を加えても、まだ45・3%。昨年8月に国が推計した南海トラフ巨大地震の最大震度も5強から6強に上がり、スピードアップにかじを切る。 12年度内に全ての棟の耐震診断を終え、13年度にはようやく耐震化の完了時期も見通しが立つ。国の補助が手厚いのは15年度まで。市教委施設課の地割唯雄課長は「限られた財源で、安心安全の確保を急ぎたい」と話している。(武内宏介) (2013.3.13)
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