2013年度に場所選定、老朽化し利用者も増加
広島市は、市こども療育センターと市児童相談所が入る市児童総合相談センター(東区光町)を移転新築する方針を決めた。築40年が迫り老朽化したのに加え、子どもの発達障害に関する相談や虐待の相談・通報件数が増えて手狭になったため。2013年度、移転先や施設規模などの調査に入る予定だ。 児童総合相談センターは鉄筋5階建て、延べ約5100平方メートル。敷地約9700平方メートルにはセンターのほか、障害のある子どもの通園施設や児童相談所の一時保護所など関連の4棟が立つ。移転新築の検討はこれら5棟を対象にする。 5棟は1973〜76年度に建設された。通園施設に通う子どもの保護者たちが12年秋、老朽化を理由に早期建て替えを求める要望書を市に提出していた。 利用者の増加も、建て替えを検討する要因だ。発達障害などでのこども療育センターへの新規の相談件数は年々増加。11年度は1253件。07年度(1098件)に比べ14・1%増えた。児童相談所への虐待の相談・通報件数は12年度上半期(4〜9月)、561件。07年度の年間385件を既に上回る。 市は13年度当初予算案に調査費49万円を計上。利用者へのアンケートや他都市の事例を調べ、新たに造る際に必要な機能や規模を検討する。 市は移転先を、使い道の決まっていない公有地を中心に検討し、13年度中に選定。14年度以降、基本計画や建設スケジュールをまとめる方針だ。市こども・家庭支援課の樋野義則障害児支援担当課長は「多様になった子どもや保護者のニーズに応えることができるセンターを目指したい」と話している。(山本乃輔) (2013.2.17)
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