中国新聞


保育士・教諭・保護者ら、5歳児の発達記録を共有
三原市、円滑な就学支援探る


   

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発達記録の重要性を説明する玉井教授(右端)

 三原市は、市内の保育所、幼稚園に通う5歳児の発達記録の作成に独自に取り組んでいる。記録を基に子どもの特徴や課題を保育士や教諭、保護者が共有。スムーズな就学につなげるための支援の在り方を探る。18日に市内であった研修会で、協力する県立広島大保健福祉学部の研究者が効果などを説明した。

 記録は、保育士たちと保護者が共通の発達問診票を使用。日常生活の中で「発音がはっきりしている」「スキップができる」など発達状況12項目と行動状況20項目を確認する。

 保育士たちは面談もして、子どもの受け答えなどを見て課題も記載。保護者と結果を突き合わせて、それぞれの支援方針を確認する。

 この日は、同学部の玉井ふみ教授(言語発達障害学)たち研究者2人が記録作成の方法などを説明。玉井教授は「集団の中で目立ちにくい子どもの状況に気付く機会になる。職員同士の引き継ぎにも役立つ」と導入を呼び掛けた。

 市は、3歳児健診から発達状況をみる機会がないことなどから、一昨年度に2保育所で記録作成を試行。昨年度は12保育所が実施を希望した。市保健福祉課は本年度、保育士や教諭向けの課題に対する支援方法をまとめたマニュアルを作るなどフォロー態勢を強化する。(鴻池尚)

(2012.9.19)


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