広島・山口500件台 文部科学省が11日に公表した2011年度の児童生徒の問題行動調査で、中国地方5県の小中高校などが把握したいじめは計2203件だった。10年度に比べ356件(13・9%)減ったが、各県教委は「隠れたいじめはある」と分析。鳥取が電子メールでの相談開始などの緊急対策費を12年度補正予算案に計上するのをはじめ、対策強化を図る。 いじめの件数は県別では、岡山が850件で最多。1123件だった10年度から273件減った。広島549件(10年度570件)▽山口514件(同547件)▽島根212件(同251件)▽鳥取78件(同68件)―と続いた。 校種別では、中学校が最も多く1079件(同1261件)。小学校796件(同888件)、高校305件(同373件)、特別支援学校23件(同37件)だった。 5県で唯一、件数が増えた鳥取県は、18日開会の県議会定例会に提出する補正予算案に緊急対策費2900万円を盛り込んだ。学級単位で子どもの人間関係をつかむためにアンケートの回数を増やしたり、電子メールで相談に応じる専用アドレスを設けたりする。 把握件数が減った4県教委も「いつでもどこでも、どの子にも起こりうる」(岡山)「隠れたいじめを早期に見つけたい」(広島)とする。山口は今月から、公立の全小中学校に週1回以上の生活アンケートをするよう要請。市町教委には必要ならば出席停止などの措置を取るようあらためて通知した。 広島は夏休み明けから、相談窓口の連絡先を書いたカードを全児童生徒に配布。島根と岡山も、教員研修やいじめの温床となっている学校裏サイトなどの監視など、従来の防止策を強める方針だ。(野崎建一郎、衣川圭) (2012.9.12)
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