島根県西部各地で学生や大人が先生役
島根県西部各地で子どもたちの夏休みの学習指導に、地域住民が協力している。県外の大学や専門学校に進学した若者も参加し「寺子屋」のような雰囲気で勉強をサポートする。 吉賀町七日市の町林業総合センターでは8〜10日の3日間、町内4中学校の希望者45人の指導を、吉賀高(同町)の卒業生5人が受け持った。宿題を持ち寄った生徒に向き合い、1日約6時間、集中的に指導した。 夏休みで帰郷した学生に協力を求め、吉賀高が初めて企画した。数学を教えた広島大教育学部1年児玉未来さん(18)は「理解度に個人差があり、教えるのは想像以上に難しいが、将来の役に立つ」と張り切る。吉賀中3年石田梨紗さん(14)は「学校の先生に比べて、何が分からないか素直に言える」と笑顔を見せた。 美郷町では7月、町職員や会社員たち有志10人が、先生役になって小中学生を補習する取り組みを始めた。週2回、児童や生徒に学校の宿題などを解かせる。月2回は「地域学習」で先生役が体験談を語る。2カ所で計30人を受け入れている。 このほか、県西部では江津市や邑南、津和野町でも地元出身の大学生が夏休みの学習指導を受け持つ。県西部県民センター(浜田市)の竹本亮・地域振興グループ主任は「住民と学校の強い絆は、生徒の学力向上にも役立つ」と話している。(石川昌義、黒田健太郎) (2012.8.15)
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