中国地方初、合同授業や模試など連携
広島県内の小規模学習塾19事業所が、合同で模擬試験やPR活動をする「県学習塾協同組合(じゅくこーぷ)」を設立した。学習塾の組合は中国地方で初めて。少子化や大手塾の進出などで経営環境が厳しくなる中、垣根を越えて連携する。 広島、呉、東広島、廿日市の各市の学習塾が加盟する。広島市安芸区の「修ゼミ」を経営する、組合の大塚祥史理事長(54)が呼び掛け、7月に県の認可を受けた。 総務省の2009年の調査では、県内の学習塾は1424事業所。塾関係者によると、子どもの人口が減る中、大手も業務提携や受講料の値下げなどに乗り出しているという。大塚理事長は「宣伝力の強い塾には、地域の評判だけでは対抗しきれない。力を合わせて教育の質をさらに高め、存在感を示したい」と目的を明かす。 8月7日に安佐南区の事務局であった理事会は、大塚理事長たち4人が集まった。10月に組合として初めて実施する英単語の集中授業や、来年1月に予定する模擬テストの打ち合わせをした。計画では、複数の塾の講師が問題を作る。 全国学習塾協同組合(東京)によると、既に千葉や埼玉などには同様の組合があり、全国的には増える傾向にある。森貞孝理事長(75)は「地域で培った指導力を強みに結束すれば、信頼が高まる」と期待している。(野田華奈子) (2012.8.13)
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