笠岡市、予定地は氾濫危険箇所に指定
老朽化に伴う笠岡市立神島保育所(神島)の移転計画に対し、保護者会が計画地の変更を求めている。計画地は市洪水ハザードマップで内水氾濫危険箇所に指定。用地買収を終えた市は初めての保護者説明会を17日夜に開き、出席者からは計画地の白紙撤回を求める意見が相次いだ。 神島保育所は定員60人で、園舎は1969年完成の鉄筋平屋346平方メートル。園舎の老朽化と狭い園庭のため、保護者会が2005年に建て替えの要望書を市に提出。市は現在地周辺で探して確保できず、今回の計画地で決まった、という。 計画地は、現施設より北東に約750メートルの海に近い3301平方メートルで、14年春の移転を目指している。市洪水ハザードマップでは、津波や大雨で水がたまる内水氾濫危険箇所に指定されている。市は約3800万円で用地を買収し、契約した。地元では現在地の住民らでつくる「自主会」が9月、市に計画再考を求める嘆願書を提出。凍結を求める署名運動も始まった。 市は計画地地盤の1メートルかさ上げや通所道拡幅、月1度の避難訓練徹底などを実施するとした回答を文書で示し、17日夜に神島公民館で保護者説明会を開催。市は「限られた土地の中で決まった。安全対策には万全を期す」などと説明し、出席者からは「安全に避難できるのか」などと不安の声が続出。計画の白紙撤回や変更を求める意見が大勢を占めた。 保護者会側は「決定の経緯が分からず、安全面を含めて不安は大きい」と要望書提出を視野に入れる。清水進健康福祉部長は「造成などで安全対策を徹底し、最善の施設にする。要望が出たら対応は考えたい」としている。(谷本和久) (2011.11.19)
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